noa no atamannaka

フェミニストの読書記録、映画記録、考えていること

子育てする上で気をつけていること

(2022.11.3の記事、noteから転載)

日頃から「子育て本」みたいなものが好きじゃなくて、そういった類のものは読まないのだけど、私がいいなと思った「子育てと切っても切り離せないことを書いている本」を3冊、紹介したいと思います。

私みたいに、「かしこい子になる本」みたいな子育て本に抵抗があるけど、
親が自分にしてきたことをそのまま子どもにしていいのか悩んでいる人、
一人で「良かれと思って」の育児に限界を感じている人
などに読んでいただき、参考になれば本当に幸いです。

子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める!www.amazon.co.jp
1,205(2022年11月13日 09:15時点 詳しくはこちら)
Amazon.co.jpで購入する
 

本屋で立ち読みした時、伊藤詩織さんが推奨したり、文章を寄稿していたのも大きな要因で、購入しました。
モノクロをベースとしたラフなイラストがたくさん載っていて見やすいです。
絵本よりは長いし文章量も多いので一気に読み聞かせをするには向いていないかもしれませんが、一章ごと、ワンポイントごとに絵を見せてあげながら説明してあげるのはいいかもしれません。

そして何より、まずは親御さんが理解して、子どもの同意を守ってあげられるように勉強する。

***

私も大人になってから、そして多分この本や、Netflixのドラマ「セックスエデュケーション」で「同意」という観念について初めて知った気がします。

そのくらい、この国では「子どもの同意」──つまり、子ども自身の意思を尊重することについて軽んじられてきたと思います。

私はいわゆる「ひどい虐待家庭」で育った人ではないにしても、子供の頃からたくさんの「同意」を無視されてきたと感じています。

そしてそれは私の人格形成に大きな影響を与えています。もちろん良くない意味で。

例えば、どんな服を着たいか。
新しく欲しいとかじゃなくて、今ある服の中で、「これを着たい」といったのに「こっちの方がかわいいよ。こっちがいいじゃん。こっちにしときな!」といつの間にか親のしたいようにコントロールされてきたことが何万回もあります。

服に限らず、食べ物など、日常生活のあらゆる決断でそういった仕打ちを受けてきました。

そして段々、何が嫌なのかわからなくなったり、嫌だなと思っていても同意してしまって後から「嫌だったな」と思ったり、感情と行動がちぐはぐになるようなことが、28歳になった今の日常的に起こっていて、結構困っています。

最近やっと「嫌だ」とか「これをやったら落ち込みそう」「断ったら相手に迷惑をかけるかもしれないけど、私が嫌なんだからやめておこう」といったことができるようになってきました。

子どもにはこんな思いをなるべくさせたくありません。

そのためには、子どもの時から子どもが自分の意思を主張できるようにしておいてあげることが大事だと思っています。

(思えば私は、親の顔色を見て「これがしたい」と、本当の自分の意思とは違うことをすることが多かった。)

この本では、「何を嫌だと思うかは君自身が決めていい」
「嫌だと思うことから逃げていい」
「一旦OKと言った後でも、『やっぱり嫌だ』と言ってもいい」
と言ったことを書いてくれています。

日本ではこういったことをすると
「わがままだ」とか「一旦OKしたのに」とかその行動や考え方を責められることが多いですよね。

でも、自分を守るため、また、他の子を傷つけないために、その考えや行動は間違っていないのだと、まずは親が肯定してあげることが大事だと思っています。

この本も「同意」についてです。
全ページフルカラーで、グラフィカルでおしゃれなイラストで埋め尽くされています。

こちらはさっきの本よりも年齢層が少し高めです。

ただ、親が読んでもためになるので親御さんもぜひ。

例えば、セックスに関すること。(性的同意ですね。)
「ハグはしたいけどキスはしたくない」とか、
「今日はいつもと違う愛撫をして見たいけどしていいかどうかちゃんと相手に確認する」などのことが書かれています。
また、「それを嫌だと言っても、相手のことが嫌いとか、逆にあなたの要望が受け入れられなくても愛されていないという意味ではない」と言ったことを言ってくれている気がしました。(この本は図書館で借りて読んだだけなので今ちゃんと確認ができていなくて申し訳ないですが・・・)

私は、性的なことや例えばデートに誘われると言ったことで、ちょっと嫌だなあと思っても「断ったら相手のことを拒否したみたいで申し訳ないから」と受け入れることがものすごく多かったです。
それは少しずつ、私の心や私そのものを変えるまで影響を与えてきました。

嫌だと言ってもいいんだということ、
そして嫌だと言われても嫌われているわけじゃないこと、
他人のNOを受け入れること、
そして、
あなたのNOを受け入れてくれない人とは離れていい、離れるべきだということを教えてくれています。

イラストや文章との絡めかたがデザイン性に富んでいて美しいので、読もう!と意気込まなくても、眺めるだけでもとても楽しい一冊です。

ママ、怒らないで。(新装改訂版)www.amazon.co.jp
1,650(2022年11月13日 09:17時点 詳しくはこちら)
Amazon.co.jpで購入する
 

最後は、親御さん自身がまず自分の心と向き合う必要があると教えてくれる本です。

他のnoteにも書きましたが、なぜ「ママ」なのか、「パパ」ではないのかという問題はありますが、それはこの国全体が抱えている問題なので、ここでは省きます。

アダルトチルドレンインナーチャイルド、インナーペアレント(大人になってもいまだに親が自分の中で何か言っている)などについて書かれています。

また、「この国の8割の家庭は機能不全家族に思われる」という、まさに、な指摘もしてくれています。

これを読んでいる方は「私は虐待されて育っていないから」と思う方も多いかもしれません。
でも、そう言った人の多くも子どもの頃から少しずつ、日常的に削られてきたのだということを肯定してくれる本だ、とも私は思っています。

冒頭に書かれている、「子育てには免許がいらない」という一節には確かにとうなづいてしまいました。
子育て、免許がいるようにしてほしいものだな・・・。
ちゃんと、子供という「他人」と接するだけの資格を持ってから産むようにしたい。
そうすれば子どもをなるべく傷つけずに済むのに。

この本は、怒りたくないのに怒ってしまう、を繰り返してしまう親御さん(ママだけじゃなく!)にぜひ読んでいただきたいです。

カウンセリングはお金も高いしカウンセラーとの相性もありますが、
この本は2000円しないくらいだし合わないと思ったら別の本を探すことも金銭面的にも比較的楽かと思います。

以上、3冊でした。
子育てする上で大事なのは「同意」、そして子どもをどうするかの前にまず自分の心の傷や膿と向き合う必要があると考えています。

少しでも参考になれば幸いです。