(2022.7.14)
こんなことを書くのは恥ずかしいのだが、実は某有名美術大学の出身である。
しかもさらに恥ずかしいのだがその大学の倍率がめちゃくちゃ高い学科にほとんど運で入った。(かなり下の順位からの繰り上げ合格だった)
で、ここからがめちゃくちゃ恥ずかしいのだけど、そんだけ金かけて時間かけてもらったのにIllustratorはほとんど使えないしPhotoshopも「スキャンした絵の白をトーンカーブで綺麗な白にする」くらいしか使えない。
在学中はアナログで絵を描くことがむしろ私の特徴として教授には面白がってもらえたが、いざ仕事となるとデジタルができなければタジタジしてしまうことばかりである。こんなこともできないのか、と呆れられるのが目に見えていた。
アナログだけでやっていけるなんて、今どき多分ヒグチユウコさんくらいじゃなかろうか。
在学時代は映画監督になりたくてそこに向かって頑張っていたつもりだけど、ある時「私には映画への愛が到底足りない」と気づいてしまった。
映画監督になりたい、というのも、映画への愛じゃなくて私自身のつまらない自己顕示欲なのだと気づいてしまった。
長い時間とかなりのお金をかけて追った夢破れ、結構長いこと立ち直れなかった。
じゃあ絵を描いて仕事しようかとも思ったけど、そんなに甘いわけがない。
描いてこなかった長い日々が動こうとする私の足を引っ張っていた。
長いこと、「私は描けない」という思いに囚われた。
絵の描き方の本や絵で食べていく方法の本が気になってたくさん買って本棚には並ぶものの、肝心の絵を描こうとするとどうにもダメだった。
何かを描きかけては完成させきれずに、どこにも公開しないままのものがたくさんあった。
「最高の絵と人生の描き方」という本は数ある絵の描き方本の中でも特に私のことを勇気づけてくれた。
この本を読んで、「自分のために描いていいんだ」という気持ちになれた。
どうせ仕事は来ない。どうせ最初から上手くはできない。だったらせめて自分のために描いてあげよう。
朝早くに起きて自分が心地いいと感じる絵を少しずつ描けるようになってきた。
それが今の画風につながっている。
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この記事はpixiv FANBOXに2022年3月21日に投稿した公開記事を転載しました。
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