noa no atamannaka

フェミニストの読書記録、映画記録、考えていること

そして母になる(ついに編)

(2019年11月にnoteにて公開した記事)

陣痛の間、寝ながら水を飲み続けると、ゲップができなくて苦しいんですよね…だから水を飲まないようにしてたんですが、汗はずっと吹き出してるから喉はカラカラで…でも飲むと吐くなコレと確信していたのでやっぱり飲めなくて…というのが頭の中でぐるぐるしながらなんとか分娩台へGO…。

私が出産前最も恐れた出産の行程は、「会陰切開」です。

アソコとおしりの穴の間を切る、というやつです。赤ちゃんの頭が出るとき会陰が伸びきらなくて裂けると大変なので、あえて先に切ってしまい、後で縫合する…というものなのですが、これを知った私は震え上がりました。

え…嘘だろ!?!?世のお母様方みんなアソコを切ったことあるの!?!?(全員が全員切るわけではないらしいです)

出産漫画などを読み漁り、会陰切開の恐怖を和らげようとしました。
みんな大体「それまでが痛すぎて会陰切開はあんまり痛くない」というような趣旨のことを言っているのですが…おまたを切られる以上の痛みが続くって…と更に出産への恐怖が膨れ上がったのでした。

もう一つ私を震え上がらせたもの、それは…。
出産のときにウンチを漏らすかもしれない、ということです…。

やっぱりものすごい勢いでいきむので、実際ウンチが出てしまう人は結構いるらしく、助産師さんが目にも留まらぬ速さで処理してくれた、という出産漫画も読んだのですが…。

大の大人が人前でウンチ漏らすところ見られるとか何プレイだよ…と泣きたい気持ちになったと同時に、オシャレ〜なママさんタレント☆みたいな方々ももれなくウンチ漏らしたワケ…?と思い、どうにも恥ずかしいような今まで見ていた世界がゲシュタルト崩壊しだすような感覚に襲われたのでした。

とりあえず、やっといきんでいいんだ!!という開放感は感じていました。
陣痛の波が、くるぞくるぞ…キター!!というところで思い切りいきむのですが、私はいきむのが下手で、「息漏らさず、声も出さずに頑張ろうか!」と言われました(今考えると、え?)。

言われた通りしようと唇を内側に巻き込み、歯で思い切り噛みしめました(痛い)。
おかげでなんとか息も声も出さずにいきめました(が…後で唇に大きな内出血の跡ができてかなり間抜けな見た目となったのでした)。

次で出てくるよ!!と5回くらいは言われ、
この助産師さんの「次」は当てにしないようにしよう…と思いながら、
ぼんやりと妊娠中、不安に思っていたことを思い出しました。

この世は素晴らしいばかりのものではなくて、辛いことや苦しいこともたくさんある…安心して出ておいでとは思えない……でも!
私はこの子に会いたい!

恐れていた会陰切開、「切っちゃった方がいいですねー切りますねー」「はい!!(もうなんでもええ!出てきてくれい!)」
東村アキコ先生が漫画で言っていたように、「シャーペンで引っ掻かれる程度の痛み」でした…。

ワーァーン!ワーァーン!

みたいな声と共に、fuckin worldへようこそ我が子よ…

お腹の上に乗っけられた赤ちゃんの髪にはまだ血がついていて、鉄臭いような香りがしました。

私のお腹の上にブリッ!とウンチし
体重計の上でじょわわ…とおしっこし
とりあえず元気そうでよかった…と力が抜けました。

夫が泣いているところをそれまで見たことなかったんですが、その時は瞳が潤んでいたような。

赤ちゃんのウンチは出たようだけど私のはどうだったかって?

出ませんでした!ヤッピー!

助産師さんか肛門をグッ!!!と抑えていてくれたおかげ…。

産んだ瞬間痛みなんか吹き飛ぶよー!という話をよく聞いたけど、吹き飛ばねーわ!!
めっちゃくちゃ痛いわ!!!!と思った私でした。

その日の夜は痛すぎて寝られないほどだった…。
その話はまた書くかもです。

とりあえずこれにてひとまず出産編完結。
お付き合いいただきありがとうございました。