noa no atamannaka

フェミニストの読書記録、映画記録、考えていること

ファッションを男の趣味に捧げた日々〜Y3とか好きな男だった〜

(2019年11月29日にnoteにて公開)

明るめの茶髪、前髪パッツン、ヒョウ柄ジャケット(300円也)。大学入りたての頃、先輩風を吹かせて東京観光に来た妹を鼠の王国(千葉)に連れて行ったときの私の格好である。

なんか色々突っ込みどころはあると思う。
でもかなり雑誌とか本とか読んだりして勉強し、トライアンドエラーを幾度となく繰り返したので、さすがにもう誰かにダセェと後ろ指刺される事はないだろう、そう思っていた…。

ところが現れたのである。

「いや〜ヒョウ柄のジャケットは無いなァと思ったよ」。

ぬぁぬぃ…?

後に人生で初めて付き合うことになる男、Zである。

奴はヨウジヤマモトのブランド、Y3(わいすりーって読むらしい)とかが好きな人だった。

Zは爬虫類系の顔をした男で、よく言えば「切れ長の目」をしていた。奴はわたしより5歳ばかり年上で同学年。どういうことかというと、服飾の専門学校を卒業してからまた美大に入ったのだという。
服飾の専門学校に行っていたこともあって、やはり服装にはウルサく、奴の中では服に明確な正解と不正解があるようだった。

私の服装は、ばつ印をつけられることが多かった。一緒に買い物に行って、これはヨシと言われたmoussyのショートレザージャケットを買ったりした。(買ってもらってない。自腹)

前髪もパッツンじゃなくて流した方がいいとか言われてその通りにしていた。
(今思い出したけど奴はトリートメントした直後の私の髪をみて「なんかもっと…橋本愛みたいにとぅるんってなんないの?」と言ってきたんだよムカつく〜ぅ!)

似合う似合わないはともかく、私は「可愛い柄のもの」が好きらしくそういうワンピースとか柄物の服を買いがちだった。すると容赦なく落第点を取ってしまった。

なので、そういう服を着る事はめっきりなくなり、クローゼットにはモノトーンの服ばかりが増えた。それはそれでいいのだけれども。

正直いうと、あまりにも奴が自信満々なので否定すると可哀想という気持ちもあり、言わないでおいたのだけど…
それってどうなん?な服装を、奴がしていることもあった。
私に言わせりゃ、そっちこそダサいけど?と。

その時思ったのです。

「あなたにとってのダサいは、誰かにとってはセンスいいものでもある。ダサいんじゃない、畑が違うだけ!」

KERA!」とか「Zipper」や、「mena」「ar」とかそれぞれがそれぞれのおしゃれを語ってる。別の雑誌を見てみりゃそれは、人によってはおしゃれじゃ無いと思うのだろうけど、それは、ダサい、ではないのでは。

って、思っただけで声に出せなかったけど…。

今以上に口下手だったし、論破される気がしたし、彼のお気に入りを傷つけるのはなんだか嫌だったし(私がされて嫌だったし)、せっかく会えたのに喧嘩したくないし…。

まぁそんな事も言えない関係だったので今、隣にいるのはZじゃないってわけだな…。

その生まれてしまった疑問を打ち消すように、
「いやでも、自分が好きな格好より自分のことを見てくれる人が好きな格好する方がみんな幸せじゃない?普段私の格好を見てるのは、私自身より、相手なんだから」などと考え、奴好みの格好を中心にしていました。

赤ワンピ、レザージャケット、ピンヒールの組み合わせは結構気に入っていました。もう永遠にできない格好…!10センチ以上のピンヒール履いて大学に通ってました。

私のへっぽこファッション遍歴、これにてとりあえず終了です、、、。