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フェミニストの読書記録、映画記録、考えていること

保育園への長く険しい道のり①(シッター編)

(2021.01.15)

かなり前に「保育園落ちた日本死ね」というブログが話題になった。

あんまり詳しく知らなかったけど、

保育園に預けないと一人親は働くことすらできない。

なのに保育園に落ちたとなったらもうどうすればいいのか。

となる人がいてもおかしくないよな、とは思っていた。

 

 

そのブログの話や、かなり色々な条件が厳しくて、保育園に子どもを預けたい人でも

保育園に落ちることがある、というのは聞いていた。

 

だから離婚前は、「自分が苦しいから」という理由で

子どもを預けることなんか絶対できないと思っていた。

 

どうせ落ちるであろう審査のために、頑張って役所に足しげく通い、

必要な書類をお金払って用意して、結果やっぱり落ちました、なんて

到底耐えられなかった。

 

「お子さん、保育園に預けないんですか?」とよく聞かれたが、

当時専業主婦で、結婚もしていて、夫の収入がそこまで低いわけではないらしい私が

保育園の狭き門をくぐれるはずがないと思って応募できなかった。

 

「お子さんが可愛くて可愛くて仕方ないのね。手放したくないのね」

なんて言われるのは心外だった。

確かに可愛いが、目を離したら誘拐されたり大怪我したり死んだりするかもしれない存在と24時間二人きりなのはかなり辛かった。

少しの間でいいから誰かにみて欲しかった。

でも、誰に?

できればもちろん、夫にみてもらいたくて、再三そのような話はしたけど、

「仕事が」とどうしてもダメだった。

 

保育園やシッターさんに性被害を受けたというニュースを度々耳にして、

私は震え上がった。

 

自分が追い詰められて、辛くて、少しの間面倒をみて欲しいと思って預けたシッターさんに

性被害を子どもが受けたら・・・と考えると、怖くてどうにもできなかった。

 

でもついに、限界がきて、このままだと子どももろとも死んでしまうと思った時があった。

 

シッターさんの顔写真と名前が公開されている、会員制のシッターのサイトに急いで登録した。

ここでは利用する側の身分証を送る必要があり、そこも安心といえば安心だった。

 

1時間二千円から、と個人で利用するにはなかなか高額だったけれど、

その時はとても追い詰められていたので利用した。

 

2時間、家で、私が家事をする間に子どもをみておいて欲しい、とお願いした。

 

人に来てもらうから汚い部屋のままでは失礼だなと、

急いで部屋の片付けもした。

それでも汚かったのだけど、まあ始めよりはかなりましになった。

 

たとえ2時間でも、こうして自分ではない別の人が子どもの面倒をみてくれ、

溜まった家事ができるのは心が休まった。

 

 

本当に追い詰められてから動き始めたから、

登録した時間も夜遅かったので、

「明日来てください!」というのが難しくてその辺苦労したが、

シッターさんのおかげで首の皮一枚繋がった。

 

 

世の中のお母さんたちは、こうして孤独と疲労と子どもの世話と・・・・

いろんなものを一手に背負って生活しているんだなと思うと、

そりゃーこの国は子どもが減るわけだな。と納得するほかなかった。