noa no atamannaka

フェミニストの読書記録、映画記録、考えていること

とにかく始めてみようと

(2019.11.6にnoteにて公開した記事を再掲載)

こんばんは。

先日シシヤマザキさんの展示を観に行きました。

シシヤマザキさんといえば私なぞの説明不要だとは思いますが、そう、あの不思議可愛いアニメーションで有名な女性クリエイターです。アニメーションや絵だけにとどまらずご自身も歌って踊るパフォーマー…もはや何者。出来ないことないのでは。そんなシシさんが展示会場にかけていたアニメーションに「とにかく何かを始めよう」というのがありました。シシさんご自身がスプーン両手に腰や手を振り振りするダンスとともに披露されていた歌の内容はこんなものでした。

「とにかく何かを始めよう」「始めるまでが一番大変」「助けてくれる人を待つのは遠回り」「何になるかはわからないけどとにかく何かを始めよう」

細かくは違うかもですがこういう意味合いのことが歌われていました。シシさんでも始めるまでが大変なんだなぁなどというIQ3の感想とともに、歌詞の内容が最近の自分の葛藤と重なりすぎてものすごくジーーンとしてしまいました。

私は今、専業主婦で一児の母でもあります。

前働いていた職場には二度と戻りたくありませんが、今と違い、働いて自分でお金を稼いでいる、そのお金で何をしようと自由だ!という気持ちだけはあったように思います。

今の私といえば毎日好きなことをしているにも関わらず、何かを買ったり、お金のかかることをするたびに「これは自分の稼ぎではない…」という卑屈な思いでお腹がグッと落ち込むのを感じます。

じゃあ稼げばいいじゃないの、という話なのですが意外とこれが大変。子どもは本当に、一瞬目を離した隙に怪我をしたり妙なものを口に入れたりするし、絵を描こうとすると描いている道具を取り上げてきます。子どもが昼寝した、今がチャンス!と思った時には、ア、皿洗いも洗濯もしてないや…となり、やっとそれらをやっつけ、いざいざ!と思うとフエエンと起きる子ども。私ぴえん。夜やっと寝てくれたと思った時にはこちらも心身ともに疲れ切っていて、気づけばまた、morning…。

たまーに、夜子どもが寝て、珍しく自分の体力とやる気が残っている日があります。

そんな日に机に向かうと聞こえてくるのです、自分の声が。「イラスト、写真、点描画、動画、文章…色々やりたいことあるみたいだけど、そんなのやってどうなるの?仕事になるの?今やってる写真でさえ、毎回毎回大赤字だってのにさ。それらをやるにはお金も時間も労力もかかるでしょう?もう一回聞くけどやってどうなるの?やりたいこと1つに絞って仕事になるようにすれば?」

結局ろくに何も作れなかった日も多かったです。

長くなりましたが、そんな日々を繰り返していた私に、シシさんの歌はとても心強く響きました。

何か、をやればいい、という応援歌。自分の魔の声が聞こえてきた時はこの歌を頭の中で口ずさみます。今回noteを書いて、公開しようとしたのもその歌のおかげです。

以前はこういうテーマで連載しよう、などとごちゃごちゃ考えて下書きはタイトルしか書けないままでしたが今日一気に書ききることができました。

何になるかはわからない、ただのイチ主婦のままでもいいけどとにかく何かをやっていたいのです。

ここまで読んでくださった稀有な方ありがとうございました。