noa no atamannaka

フェミニストの読書記録、映画記録、考えていること

されど林檎女史はかわいいし

(2019/12/9 noteにて公開した記事を再掲載)

見るとどんよりとした気持ちになる「鬱映画」をいくつも生み出したラース・フォン・トリアー監督の作品に「メランコリア」と言う作品があります。

この映画を私は観てないのだけど(え)、何かの紹介文で「普段憂鬱でネガティヴな人間の方が、最悪の事態になった時に冷静でいられる」と言う魅力的な紹介文句が印象に残っていました。

(だってラース監督の映画観るとなかなかに疲れるからさ・・・意気揚々と見ようとは思えないんだよ・・・一人で観たくないし・・・)

 

いくつかの政治に関する本を同時に読み進めています。読書の時は必ずと言っていいほど子どもが可愛く邪魔をしてくるので、取り上げられた時に別の本を読む、とか、部屋ごとに1冊ずつ置いておいていつでも読めるようにしています。

友人が教えてくれた本、『ギャル男でもわかる政治の話』はかなりライトで読みやすく、よっしゃ選挙参加しよ〜!てな明るい気持ちにさせてくれます。例え話として漫画のワンピースや某国民的男性アイドルの話が出てくるもの面白い。

それとは対照的に、ひたすら読み進めていて憂鬱になるのが『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ』とその続編『続・ニホンという滅びゆく国に生まれた若い君たちへ』

今まで散々「大丈夫大丈夫!そんなのデマだって〜」と思い込むようにしてきた事は全部、疑いようのない事実だと突きつけられるし、嘘だと言ってくれやとしか言いようがない酷い新事実を教えてくれます。(本当は新事実でもなく自分が無知だっただけなのですが・・・。)

『続・〜』のまえがきには、

「この本には一切の解決策は載せていません。それどころかこの本を読むことでより混迷を深めます、希望か絶望かなんて安易な結論を出してしまわずに、読んだ人ひとりひとりが現実をしっかり見つめてずうっと自分で考え続けてもらうためだよ」

的なことが書かれています。(私はそう思ったけど違ったらごめんなさい。詳しくは原本読んでください。ここにはあえて書きません。それも勉強・・・)

私たちは「こうすれば解決!」とか「これさえやれば安心!」というものに普段囲まれていますよね。ズボラでもお金が貯められる方法、これさえすれば今より可愛くなれる方法、履くだけ・巻くだけで痩せられる方法・・・。

この時代に生きるということは、こと政治においては「〇〇さえやればこの国は安心!」という方法があるのではという希望を捨て、絶えずシンドイ現実を見ながら考え行動し続けるしかないのだな・・・。

できれば、普段から椎名林檎可愛い〜とかあのスイーツのお店行ってみたいなとか可愛いお洋服着たい!とかそんな楽しいことばかり考えていたいものです。

でも今までずっとそれをしてきたせいで今、首の皮一枚(それもほどんどちぎれかけ)の状態になってしまったっていうのは分かっているのだから今までと同じには暮らしていけないな・・・。

でもね、思ったんです。

絶望的な気持ちになりながらでも、テレビをつければ椎名林檎は可愛いし、スイーツだって食べられるし、可愛いお洋服も着られる。いやむしろ、ノストラダムスの予言の前夜じゃないけど、滅びると分かっているから貯金使い果たして豪遊したろかってな人の気持ちにもなる(ちょっと違う)。

同年代には生まれられなかったけど彼女が生きて活躍している時代の日本に生まれてよかったありがとうって思うし、どうせろくなことが待っていないからダイエットは来世に回して、今はスイーツ食べてアゲてこや・・・ってなるし、いつ死ぬか本当にわからんから、今のうちに着たい服着て、毎日自分の戦闘服で過ごそうや。適当な服着てる場合じゃない。って思える。

今までの娯楽とさよならするのではなく、むしろ前よりかたく手を結んで、辛いこと嫌なことと向き合い続ければいいのかなって思いました。