ずっとこの本が気になっていた。
良いに違いないことはわかっていた。
ただ、既にかなり売れているので「今私が急いで買って読まなくてもしばらくは残っていてくれるであろう本」に分類されたので、読む優先順位は低くなった。
そんな中、先日、友人(と言ってしまってもいいよね・・・?)が「会う人限定」で素敵な本の貸し出しをし始めた。
やはりその人は発明家だ、と私は思う。
(feminist bitch というワードもその人が生み出した)
今年のGWに東京に行った時にどうしても会いたくて、会う約束をすると蔵書リストを送ってくれた。買いたかった本がたくさん載っていたので目を輝かせた。
連日の疲れで頭がバカになっていた私は、本を持って移動してくれる相手のことも考えずに何冊も借りたいと言ってしまって「ちょっとそれは重いので・・・」と言われたのが今思い返すと面白い。
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今私は子どもと母と三人で暮らしている。
来年には子どもと二人暮らしする予定だが、本当は一人になりたいとしょっちゅう思っている。特に子どもが見る動画の馬鹿馬鹿しくて音がうるさい時なんかは特に。
その前にもある期間、親戚と共同生活を送らせてもらったことがあるのだが、その時に「誰であれ、一緒に暮らすというのはなかなかストレスなものだな」と感じた。(世話になっているので口が裂けても言えなかったが・・・いや、何かに任せて口走ってしまったかもしれない。)
この本は、長いこと一人で暮らしていた二人の女性が一緒に暮らして2年ほど経った時の話である。
交互に文章が載っていることもあれば、片方の人が連続して文章を載せていることもあった。
かなり違うようで似たところがたくさんある二人。
猫を二匹ずつ買っている二人。
片付けが大の苦手な一人と、片付け好きな一人。
初めの方に書かれた文章をふと思い出す。
(ちょっと今該当する文章を見つけられなくて正しく引用できないのだけど、)
「一人暮らしを長いことして、『もう、いいだろう』とあるとき思った」
というような文章だった。
確かに、今私が欲している一人暮らしは、生活を「完全に自分のコントロール下における」のだろうけど、それはいつか飽きが来るものなのかもしれない。
私が「もう、いいだろう」と思えるほど一人暮らしをできる日は多分20年以上先なんだろうけど、だからこそ、今、瞬く間に成長する子どものことをしっかり目に焼き付けて、できる限りのことをしてあげたいと思う。
特に「借金上手な人になれ」という章がお気に入りだ。
一緒に暮らす上で、片付けのことで何度も衝突したりしながら、一緒に心地よく暮らす方法を探していく二人の戦いは読んでいてハラハラしつつも、「2年くらいするとけんかの量もだいぶ減った」とのことで、かなりホッとしたし、そんなふうに誰かと生きていくのは勇気と根気がいることだなと思った。
元の文章も良いからなのだろうけど、訳の文章もとても読み心地が良くて好きだ。
(未翻訳の二人の本があるので、韓国語勉強したいなと改めて思った)
このインタビューも良かったのでリンク貼っておきます。
二人の人が文章を書いて成り立っている本を他にも読んだことがある。
「胃が合うふたり」だ。
この本の二人は「一瞬、一緒に暮らすことも考えたが、無いなと判断した」二人だった。
全体を通して、「誰かとずっと一緒にはいられない、この人もいずれ自分から去ってしまうだろう」という諦めと怖さを感じた。
今の私は、誰かと暮らすことについて、このような気持ちの方が強い。
この本についてもいつかちゃんと書くかもしれない。
(ていうか前にも書いたかも。)