noa no atamannaka

フェミニストの読書記録、映画記録、考えていること

ただ辛い気持ちを吐露した文章が読みたい

(2022.8.21)

私は、子どもがまだもっと小さかった頃、そしてまだ結婚していた頃、

自殺願望が絶えなかった。

毎日、死についてばかり考えてしまうし、電車の線路に吸い込まれてしまうような感覚の時期が続いた。

憂鬱の原因は部屋の汚さだと思っていたが、部屋をかなりきれいにしても、死にたい気持ちは消えず、そこでおかしいと思い初めて精神科に足を運んだ。

典型的な躁鬱、と言われた気がする。

原因としては、ワンオペ育児(アンド家事)による慢性的な睡眠不足と、私のミス一つで子どもが死んでしまうかもしれない、大怪我してしまうかもしれないという緊張がほぼ24時間続いていること、そしてそれが何日も何ヶ月も続くということ、リラックスできる瞬間がほとんどないことなどがあったと思う。

***

先日、「子育てやめたい」という文章を出した時に、なんとなく#子育てやめたい とnoteで検索してみた。同じ思いの人が見つかるかもしれないと思ったからだ。

しかし、実際記事を読んでみると「シングルマザーだから辛いみたいなのは違うと思う」みたいなことが書いてあったり「私はこうやって乗り越えました!」「乗り越えるためのセミナーはこちら!」というような記事が2.3あるだけで、辟易してしまった。

違う、そういうんじゃなくて、自分の収入につながる下心とかもうほとんど無しに、ただただ辛い気持ちを吐露しただけのものが読みたい。

なんの解決策もない、生産性のかけらもない、ただ、今の気持ちをどこにも誰にも話すことができなくてかいた文章が読みたい。

そう思った。

私が読んで「救われた」と思った本を紹介したい。

もしかしたら誰かも読んで「救われた」と思うかもしれない。思わないかもしれないがそれでもいい。

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この本の良いところは、ただただ自分の傷を記録しているところ。

この本を読み終える頃には筆者は精神的にとても元気になりました!みたいなオチなのだろうなと思っていたが、そうでなかったのもいい。

精神の不安なのが、結局良くなったのかよくならないのか、「日による」状態が続いたまま、終わる。

本には、出会うタイミング、読むタイミングがあると思う。

というか、読んで響くタイミングというべきか。

昔この本を読んだら、「なんだグダグダ言って、結局解決しないし、つまらない本」と思ったかもしれない。でも当時の、そして今の私には、辛くてどうしようもなくなるたびに開く大切な一冊になっている。

話は飛ぶが、ビリーアイリッシュの楽曲のように、「孤独を共有する」ような感覚がある。

 

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さっきの本には続きがある。

この続きの本は1よりもいささかドラマチックだ。

(ドラマチックというのもちょっと憚られるが・・・)

筆者が会社を辞めようとしたり、精神病棟に入るかどうしようかという話になったり、交通事故に遭ったり・・・。

筆者の感情の落ち込みが、1よりも深くなっている。

 

この本では一応、「これからも気分の落ち込みはあるだろうが、もう大丈夫だと思う」というようなところまで回復?している。

 

 

 

回復のきっかけは本当に人によってさまざまで、

「私はこうして元気になったのであなたもこうすればいいですよ!」

なんてことはあてはまらないと思う。言うべきでないと思う。

 

本は生身の人間みたいにあなたの言葉を遮ったりしないし、ちょっと読むのが辛いなと思ったら閉じて休憩することもできる。そのまま数ヶ月放置したっていい。その中で、「ああ、これ、私と一緒だ」と思って勝手に救われたりするので、僭越ながらお薦めしたい。

 

(ただ本を読むのも体力気力が要るので、本当に死にたいぎりぎりのところまで行くときついよね・・・)